どんと焼きとおだんご焼きの話

こんにちは。清水園芸です。今回は海老名南部の行事のひとつを、お正月のどんと焼きで一緒に焼くおだんごのちょっと変わった風習のお話です。

目次

どんと焼き

どんと焼きとは、お正月の後に、昨年に使ったお札や年末年始で飾ったお飾り、書き初めの習字などを燃やしてお焚き上げする行事です。現代は神社が代わりにやってくれる事も多いですが、伝統的には地域の人で集まって自分たちでお焚き上げをします。

海老名市中野地区のいちごじまでは昔と変わらない場所、道祖神の脇でお焚き上げを続けています。時期は小正月の初めの日、1月14日の早朝です。

地域のグループごとに各所の道祖神に集まり、その近くで行なっていました。しかし、住宅が増えて住宅地で火を燃すことができないので河原など支障がない場所に移動して行われます。また、お炊き上げを土日に移動させているグループも多くなりました。

おだんご焼き

どんと焼きの日は、米粉でおだんごを作り、神棚などに飾ります。

飾りのおだんごは直径3、4cmぐらいで、染め粉で紅、緑、黄などカラフルに色をつけたりします。そしてどんと焼きに行き、その火でおだんごを焼くのですが、この時のおだんごが海老名市内でも地域によって違いがあります。

飾りのおだんごと同じおだんごを焼くパターンが多いのですが、いちごじまでは握りこぶしからソフトボールほどの大きなおだんごを作り、それを3つ用意します。また、あらかじめ先端が三又になっている木の枝などを用意しておきます。この枝は長さ1.5m以上はないとおだんご焼きの時に大変です。また巨大おだんごを支えられる枝の強度も求められますので慎重に選ばなくてはなりません。

良い三又が用意出来たら、巨大おだんごを刺して準備完了です。

どんと焼きの流れ

どんと焼き当日は早朝に、お焚き上げするお札などを持ち、もう片方の手にはおだんごをさした三又枝を持ち、道祖神の場所に集まります。

火を維持するために多少の材木などを燃やしながら、お札やお飾りを燃やしてお焚き上げします。火が落ち着いて、おき火になったら、いよいよおだんご焼きを始めます。

いじごじまでは巨大だんごですので、焼くにはけっこう時間がかかります。でも炙りすぎると焦げますので加減が難しいところです。また、集まった人同士でおだんご交換をします。家に持ち帰る時に、3個のうち2個は他の人の作ってきたおだんごになっています。

このお焚き上げの火は神聖で清浄なものなのだそうです。その火で炙ったおだんごは、食べると風邪を引かないと言われています。おだんご焼きが終わったら、火を消す係りの人は残り、おだんごの三又を持って帰宅します。

これでどんと焼きは終了です。

おだんごを食べる

先に書いた通り、どんと焼きの火で炙ったおだんごは食べると風邪を引かないとされていますので、家に帰って家族で分けて食べます。

改めて電子レンジで温めたり、煮て味付けして食べるとか、各家で自由に工夫しています。

小正月とは

さてこの行事、小正月という昔の風習の名残りだと思います。1月15日前後にまた違う行事を行うお祭りです。

小正月の行事で有名なのは「なまはげ」ですね。おだんご飾り、小豆がゆ・ぜんざいを食べるなどが海老名市近辺で残っているようです。

おだんご飾りは他地方の「まゆ飾り」という風習に似ているように思います。

余談 いちごじまの巨大だんご

いちごじまで行なっているどんと焼きとおだんご焼きの紹介をしました。

いちごじまではソフトボール大の巨大だんごを焼いているのですが、これが海老名市内でも他地域ではそうではなく、おだんごは小さいと知ったのは最近のことです。なぜこんなに大きなおだんごを焼くのか理由は分からず、父に聞いても知りませんでした。自分の知る限り祖父の時代からずっとこうだったことは間違いありません。

他地域の人とどんと焼きについて話していて、地域差に気づいたのですが、こういった風習は小さな頃からずっとそういうものとして続けていて、他地域を見学することもありませんので、意外にもごく近くでも地域差に気づかないものだったのです。

いわば地元文化の再発見でしょうか。一度そう分かると、他の行事にも違いがあるのか気になってきます。

皆さんの地域でも何か面白い風習があったら是非教えてください。

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