こんにちは。あるいはおはようございます。清水園芸です。今日は家や畑に植えられている、茶の木についてお話をします。
茶の木とは、文字通りお茶の原料になる葉を摘む木です。茶の木がカマボコ型に整っている茶畑の姿はおなじみかと思います。
日本では鎌倉時代ごろから日本各地に広まり、お茶づくりが行われていました。今は日本中に広がり、お茶産地が各地にあります。
仏教の影響、飲み物として美味しいこと、お茶の葉を摘んで、いつでも飲める茶葉にしておくこと自体はそれほど難しくないことなど、広まった理由はたくさんあると言えます。
今でも日本人は緑茶が大好きで、現代的なペットボトル飲料も含めれば、とても身近な飲み物だといえます。
農家と茶の木
昔も今も、お茶の木を育てるのは農家です。
農家は自分で飲むお茶を自分で作っている事もよくありました。自家用程度なら、畑の片隅に少しだけ茶の木を植えておけば済みます。そのため、茶の木はとても馴染み深く、どこにでも良くあるものだったでしょう。
自分で自分用のお茶を作るというのは、まさに地産地消で、のどかな感じがしますが、昔の人にとってはお金を使わず節約する生活の知恵だったのかもしれません。
畑の中に残っている茶の木
現在農業をしていると、畑の中にポツンと木が植えられている様子を見ることがあります。

これは土地の境界を示す目印だそうです。土地の所有者が違ったり、道路などの用途が違う場所を区切って示すものです。その目的で植えられている木として、茶の木が使われている場合があります。
茶の木は刈り込むとコンパクトな低木に出来て農作業の邪魔にならないし、根はりが強く、寿命も長いので境界の木に適しているのです。ついでに、境界の茶の木からお茶の葉も摘めるので一石二鳥です。
境界線に茶の木がよく使われたのは、このようにメリットが多いうえ、身近な木だったので、苗を手に入れるのも簡単だったからではないでしょうか。
垣根に使われる茶の木
もう一つ、農家の生垣に茶の木が使われている事もあります。

こちらは海老名市内の農家に残る生垣です。茶の木と笹が一体化していますが、土地の境界線に植わっている例です。生垣にするにも、上で書いたのと同じメリットがありそうです。
飲み物に使う茶の木を、生垣にも使うというのは面白いと思いませんか。余程お茶が好きな人が考えたのではないかと想像してしまいます。
まとめ
日本人にとってお茶と茶の木が馴染み深く、昔から生活に密着していたことが伺える話だったと思います。
しかし、その時代に比べれば、今の日本人は都市に暮らす人も増え、お茶の木への親しみは減ってしまいました。
(ちなみに、清水園芸でも祖父の時代ではお茶づくりをしていたそうですが、私の代では茶の木については親しみが無くなっていました。)
一方で、それが取り戻されていくような動きもあります。
最近では名産地・大産地のお茶はブランド化を目指している一方、小規模なお茶農家では少量生産で特別な味のお茶や紅茶などを作ることが始まっています。農家ではなく、個人レベルでも、お茶摘みからお茶づくりまで趣味として取り組む人もいます。
こういった取り組みは、昔の農家がお茶を自製していたことに還っていくようで、面白いのではないでしょうか。
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