玉ねぎとエシャレットとシャロットの話

こんにちは。清水園芸です。
今回は豆知識です。エシャレットとエシャロットが違う野菜であることを説明します。
日本独自の事情で名前の混乱があるため解説します。

はじめに
エシャレットとエシャロット。
この二つが違う野菜であるとは、名前だけでは分かりにくいものです。
また、シャロットという名前もあります。
今回登場するものは全てネギ・玉ねぎの仲間(ヒガンバナ科ネギ属)です。
なるべく分かりやすいように、説明の順番を考えて構成しました。

(1)玉ねぎ
お馴染みの玉ねぎですが、原産地は中央アジアのペルシャの辺りとされています。とても古い栽培作物のため原種は見つかってなく原産地は正確には分かりません。
紀元前1600年頃のメソポタミア文明で既に玉ねぎは食べられていたそうです。
栄養があり、独特のピリッとした味は色々な料理に欠かせないうえ、かなり長期間の保存がきくので、世界中で利用されています。

(2)シャロット
シャロットは、小さな玉ねぎのような野菜です。実際に玉ねぎの変種とされます。
日本では馴染みがありませんが、玉ねぎと同じように世界的には広く使われています。
このシャロットは、玉ねぎより香味が強くニンニクのような風味もあって香味野菜として玉ねぎよりポピュラーに使われる国も多いようです。
ヨーロッパ、アメリカ、中東、インド、東アジア、東南アジアなど、かなり広く栽培されている野菜です。
では玉ねぎとシャロットの違いです。
玉ねぎはタネを蒔いて苗を育てて栽培しますが、シャロットはタネができません。
シャロットは一つの球を植えて育てると、「分球」といって、いくつかの球が増えて育ちます。これによって数を増やす栽培方法です。ニンニクと似ています。

(3)エシャロット
ついにエシャ「ロット」が登場しました。
実は、エシャロットは(2)のシャロットと同じ野菜です。
シャロットが英語、エシャロットがフランス語なのです。
エシャロットという言葉は料理の本や西洋料理のレシピで聞いたことがあると思います。フランス料理系のレシピではエシャロットとしているのでしょう。

ここで疑問が湧いてきます。
今までレシピに載っているエシャロットを料理に使うため、スーパー等で買い求めた方もあると思います。
でも、エシャロット(=シャロット)は、日本人に馴染みがないと書きました。
それはどういう意味かご説明します。

(4)エシャレット
エシャ「レット」は、普通のスーパーで見かけることのある野菜です。独特の香味とピリッとした味で、生で味噌などをつけてかじって食べると美味しいものです。
このエシャレットは、ラッキョウを若いうちに収穫したものなのです。
これは日本の青果市場と生産者が共同開発した新しい食べ方の野菜だったのですが、そこで「エシャロット」というシャレた名前をフランス語から借りて命名しました。
そうです。最初は(3)で説明した「エシャロット」と同じ名前にしてしまっていたのです。
しかし、後でフランス野菜の本来のエシャロット(=シャロット)とは違う野菜なのに、混同が起こってしまうため「エシャレット」もしくは「エシャ」と呼ぶようになりました。
しかし、元々の混同から名前を変えたことも広く伝わっていないうえ、一文字違いでは、なかなか混同は消えないように思います。

いかがでしたでしょうか。
玉ねぎ
エシャロット=シャロット
エシャレット
これらがどういう野菜で、どう違うのかがお分かり頂けたでしょうか?

まとめに
エシャロット=シャロットは、外国料理でよく使われる香味野菜。
エシャレットは、若どりラッキョウ。
という違いを説明しました。
日本国内の事情で、もともとエシャロット=シャロットに馴染みがなかったうえ、若どりラッキョウに同じ名前を付けてしまったために混乱が発生してしまいました。
個人的な考えでは、エシャロットの呼び名はやめて英語由来のシャロットに統一して呼んだ方がもう少し分かりやすくなると思いますのでこれからはシャロットと呼んでいきます。
また、エシャレットもやめて、エシャと呼ぶのが良いかと思います。
シャロットは西洋料理にアジア料理でもポピュラーですし、日本でも香味野菜として料理に使っていく価値があると思います。
そのためにも名前の混乱が無くなっていく必要があると思います。
また、シャロットが日本でもポピュラーになれば生産農家も育っていきますので是非応援をして欲しいと思います。

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