玄米について(1)玄米のお勉強

こんにちは。清水園芸です。

今回は「玄米について(1)玄米のお勉強」

目次

古くて新しい「玄米」

最近、日本であまり一般的でなかったオートミールがちょっとしたブームになりました。
日本でも健康志向の高まりで世界中の食品で価値あるものが輸入され、受け入れられるようになっています。
しかし、日本であまりにも普通に食べられてきたお米も、まだ100%の実力を発揮していないのです。
お米と言えば白米ですが、昔から食べられてきた玄米もあります。
玄米は近年あまり一般には食べられなくなっていますが、この玄米、むしろ現代人には見直されるべき良い点を持っています。
「古くて新しい」と言える玄米のお話を始めましょう。

白米と玄米の違いとは

ふつう、ご飯として食べているお米は、真っ白に精米したもので、「白米」と呼ばれています。
つやつや、ふっくらと炊きあげられた白米のご飯は日本人の主食とされるほど、お馴染みのものです。
しかしこの白米、実はお米(イネの実)の本来持つ栄養素をかなり削り落として作ります。
米農家で生産され、長期保存されるのは「玄米」の状態です。
玄米はイネの実の栄養素がすべて含まれたままです。

玄米から白米を作る「精米」作業

玄米の一粒一粒には、芯にデンプンのかたまりの部分(胚乳)があります。ここが白米に当たります。
その外側を、ビタミンや食物繊維などを含んだ層(米ぬか)が覆っています。
またイネの芽が作られる部分である胚もあります。ここは白米では取れて「へそ」になっています。

精米とは、玄米から米ぬか層を取り去る作業です。
機械で削り取るようにして取ります。

真っ白で柔らかい白米にするために米ぬかを取り除きますが、その結果、ビタミンなどの栄養が含まれている部分は取り去ってしまっています。

玄米を白米にする理由

玄米にはビタミンや食物繊維など、捨てるにはもったいない栄養が含まれているのですが、わざわざそれを削って白米にする理由はというと、味、食感、見た目の理由があります。
お米を炊くとき、玄米のままだと米ぬかの層が給水を邪魔して、炊きあがって歯ごたえがある固いご飯になります。
ご飯のねばりは無く、ポロポロします。結果的に食感があまり良くありません。
また、ぬかの匂いが強く、見た目も茶色となります。
こういった理由から、食べやすく、綺麗で、上品な白米を食べる事が主流になったのでしょう。
(江戸時代までは日本全体で玄米食が主流で、江戸で暮らす人々だけが白米を常食していました)

こう聞けば、いくら玄米に栄養があるといっても、玄米より白米を食べたいと思う人がほとんどでしょう。
しかし玄米の栄養素を捨てるのは勿体ないものです。

玄米の栄養も取りつつ美味しくご飯を食べる方法

玄米の栄養を残しつつ、ご飯の美味しさも損なわない良い方法があります。
「分つき玄米」というものです。

もう一度、精米の事を思い出しましょう。
収穫後に、もみから取り出したままのものが玄米。(玄米とします)
精米作業で完全にぬかを取り除いたものが白米です。これを「100%精白=10分づき」と呼びます(1分=1/10です)
精米作業は途中で止めることができます。
例えば50%精白で止めれば「5分づき米」、70%精白なら「7分づき米」といった調子です。

「分つき米」は、その度合いに応じてぬか層を残したお米です。
当然、米ぬかに含まれる栄養素も残しています。

分つき米を炊飯すると、色は真っ白ではありませんが、玄米よりは柔らかく、食べやすいものになります。

完全に精白した白米と何もしてない玄米の中間的なご飯、「分つき米」ならば両方の良いとこどりができます。

分つき米を見直そう

健康志向の高まりから、世の中には色々な健康食品などが溢れています。
しかし、日本人にもっとも身近な白米のご飯を分つき米に変えるだけで、手軽にビタミンや食物繊維が毎日豊富に取れてしまいます。
炊くのも基本的には今まで通りの炊飯器が使えますし、食べ方を変える必要がありません。
もちろんより良い炊き方のコツや、良く合うおかずなど、研究の余地もありますが、基本的には今日からでも分つき米食を始められる点は優れています。
みなさんの食卓でもぜひお試しいただきたいと思います。

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