昔の野菜は美味しかったと言われています。しかし、品種改良が進んだ現代の野菜が美味しくないわけではありません。
昔の野菜について
ときどき、話題に上がる「昔の作物は美味しかった」という話。
これは、大気や水が汚染されておらず、化成肥料を用いていないため美味しかったといったような理屈で言われています。
しかし、農作物は人間に対して毒性の低い作物を選んで栽培して品種改良していったものです。近年栽培される品種は、味が良くなるように改良したものです。また、品種改良の進んでいない原種に近い農作物は、クセやアクが強い残っています。
昔の調理法は、生食せず煮炊きするのもが多いのは食中毒を防ぐのはもちろんですが、クセやアクを取り除く効果を狙ったものと言えるでしょう。
今の野菜について
現在、栽培されて手に入りやすい農作物は、ほとんどが品種改良されたものです。これは味はもちろんですが、もう一つ必須の形質があります。
それは、皮が硬いことです。
皮が柔らかい品種はぶつかったり擦れたりすると傷がつき商品価値を失います。特に日本では見た目を重視するため、皮の硬い品種が好まれます。これは消費者が見た目を重視することもありますが、流通する過程で商品価値を落とさないようにする流通側の都合とも言えるでしょう。
一方で味についてですが、現在は甘い方向に振った品種改良が行われています。甘いことは美味しい基準のひとつですが、程よい酸味や雑味が作物の味を決めます。生産者には甘みとのバランスが良くなるように工夫して生産する農家さんも多いのも事実です。
スーパーなどで簡単に入手できる野菜が昔の品種の味に劣っていることはありません。一部に流通に不向きで美味しい品種が存在するのが正解に近い表現となります。
当プロジェクトで生産している作物
えびな美食農プロジェクトでは、美味しい品種で流通に向いていない作物を生産しています。
2019年は
・四葉キュウリ(すうようきゅうり)
数あるキュウリの品種の中で最も美味しいと言われている品種。皮が薄いため痛みやすく、ブルーム(キュウリが代謝する白い粉)が多いため残留農薬と勘違いされ、次第に作られなくなりました。
・薄皮ミニトマト
文字通り、皮が薄い品種です。そのため痛みやすくあまり栽培されていません。
・ふわとろ長ナス
皮が薄く身も柔らかい品種です。
これらの品種の栽培を行っています。
販売は清水園芸さんの直売所で行っています。まだまだ試験栽培的なものも多く、安定して毎日出荷できるほどではないのでツイッターなどで問い合わせいただければ確実かと思います。
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