美味しい米は農家の「直売米」

こんにちは。清水園芸です。

今回は、一般の方が知らないお米の流通とお米の味について解説します。お米選びの参考になればと思います。

目次

はじめに

みなさんは普段どこでお米を買っているでしょうか。

スーパー、米穀専門店、ネット通販、農家の直売など、いろいろな手段があると思います。そこで販売されているお米には色々な品種があり、またブランド米というものもあります。

こういった日本のお米の流通・小売りは、戦争中の配給制度、戦後の食糧管理制度を経て、1994年から段階的に自由化されました。ほぼ完全に自由化されたのは2004年で、わりと最近の話です。

細かい点は省きますが、現在流通するお米は、生産農家から買い上げるルートとして、各地の農協が買い上げるものと、一般の米穀業者が買い上げるものがあります。(タイ米、カルフォルニア米など輸入米は除く)

これらに共通するのは、買い上げた米ということです。各農家から買い上げて袋詰めして出荷していく過程で米は色々な農家の米と混ざっていきます。例えばコシヒカリとしてスーパーで販売されている米は、一軒の農家が生産したものでなく、複数の農家から買い上げて混ぜて販売したものです。

販売されているお米の分類

味の面で大事なのは、「お米がどれほど混ぜ合わされているかどうか」です。

米農家が生産したお米は、農家一軒ごとに、農協または米穀業者に販売されますが、そのお米が販売パッケージになるとき、複数のパターンがあります。

(1)複数の農家の作ったお米を、品種ごとに一緒に混ぜたもの(銘柄米)
(2)複数の農家の作ったお米、複数の品種を混ぜ合わせたもの(ブレンド米)
(3)特定の地域の品質基準を満たした品種のお米(ブランド米)
(4)一軒の米農家が作ったお米を自主販売するもの(直売)

これらの(1)(2)(3)は混ざった米、(4)のそれほど混ざっていない米に分けられます。

混ざり具合と味の違い

米の品種ごとに味が異なるのはご存じの方が多いと思います。

同じ品種でも最も美味しいのは、「ひとつの田んぼで作ったお米」だけを炊いたものです。これは、私の栽培経験、食べ比べの知見から間違いありません。

同じ品種でも、いろいろな田んぼ、生産者とお米を混ぜていくごとに味の平均化はされていき、味は落ちていきます。また、違う品種を混ぜてしまうと、言うまでもなく特徴は失われていき味も特徴が消えていきます。

前述したパターンに当てはめると、(4)が「ひとつの田んぼで作ったお米」に最も近くなり美味しいと言えます。そして(3)のブランド米は高価で評価も高い高級米が多いですが、生産者は複数です。

(1)の銘柄米は最も一般に手に入れやすい「良い米」で、スーパーの棚にも並びますが、米の混ぜ合わせの幅が広くなっています。

一軒の米農家の直売のお米は、あまりポピュラーではありません。しかし、いわゆるブランド米より美味しく、比較的リーズナブルな場合も多いとも言えます。

ただし、農家の米作りの腕前で大きく味が左右されてしまう点もあります。正直なところ、美味しくない生産者もいるので、当たり外れがあるのも事実です。

生産者、消費者双方にメリットデメリットがありますが、農家の一個人としては、消費者と直接やりとりができることは、とても嬉しいことでもあります。

「農家の直売のお米」をどうぞ

農家の直売のお米は、直接、農家と取引するしかないので、以前は伝手がある場合や、農家が直売所で販売するものを買うぐらいしか消費者に入手手段がありませんでした。

しかし、現在はネット販売が広まってきたことで、農家も売りやすく、消費者が手に入れやすい状況になってきました。

かつて食糧管理法が廃止された後、ブランド米ブームがありましたが、これからはブランド米よりも美味しい、いわば「直売米」の時代かもしれません。

「直売米」には、日本中から美味しいお米を探し出す楽しさもあります。

みなさんも是非一度「直売米」を購入してみてはいかがでしょうか。

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