お米の品種、育った水と海老名のお米

こんにちは清水園芸です。

前回は、お米の味は「異なる生産者や田んぼの米が混ざったか」という視点で解説しました。今回は、品種についての解説をします。

目次

銘柄米と都道府県

お米には現在、たくさんの品種があります。例えばコシヒカリ、ササニシキと、あきたこまち、ひとめぼれいう品種は、多くの人が聞いたことがあるでしょう。

現在、日本のお米の品種は900種ぐらいの品種登録があり、比較的多く栽培されているものでも300種ぐらいです。これらの品種は、都道府県ごとに栽培奨励品種というものが設定されています。

そのため推奨品種は、例えば新潟県産コシヒカリ、宮城県産ひとめぼれ、という表示がされて売られています。

栽培奨励品種

栽培奨励品種とは、都道府県ごとに何種類かのお米の品種を指定し、その栽培を行政や農協が支援する仕組みです。

栽培推奨品種を生産者が生産するメリットは、栽培方法の指導や、苗の販売などのバックアップがあり、採れたお米は農協経由の買い取りが行われます。

こうして生産された推奨栽培品種は、「銘柄米」として販売されます。都道府県ごとに「銘柄米」が持てるため、ブランド戦略として売りやすいと言えます。

デメリットをあえてあげると、その栽培推奨品種しか作れないため、新しいことにチャレンジできないところです。

奨励品種に縛られない米作り

栽培奨励品種は、とても合理的な仕組みだと思います。

その一方、生産も販売も、都道府県や農協の言いなりというか、決まった範囲の事しかできないようにイメージされるかもしれません。

農家が栽培奨励品種以外のお米を作ることは自由なのですが、苗の入手と販売の面で困難です。

イネの苗は現在、農協などで生産し、農家がそれを買って田植えをする事が普及していますので、それを利用する限り、栽培奨励品種の苗しか手に入りません。しかし、農家が種もみから苗を育てるところから始め、販売は直売や契約で消費者とダイレクトに取り引きすれば、この制約には縛られず自由な品種を作る事ができます。

日本で比較的多く栽培されているものでも300種ぐらいです。 それぞれに味の違いもありますし、栽培に向いている気候、病気への強さなどの特徴が違っています。

奨励品種に縛られず、良いお米の品種を探したり、栽培が難しくともブランド米に匹敵する美味しいお米作りにチャレンジする米農家も増えています。

苗作りから全て自前で行う昔ながらの方法が面白い米作りに繋がっていくのです。

清水園芸の育てているお米

清水園芸では、栽培推奨品種に捕らわれず様々な品種を種もみから苗を育てて稲作をしています。

2021年は、さとじまん(奨励品種)、はるみ(奨励品種)、イセヒカリ、ヒエリ、にこまる、を育てていますが、特に今回紹介したいのは「にこまる」です。

「にこまる」は九州地方で多く奨励品種になっているお米です。

実はお米は夏に暑すぎても品質が落ちてしまいます。しかし、このお米は猛暑にも強い高温耐性を持っているため、近年の温暖化でお米が作り辛くなった西日本、九州に向いているのです。

近年、海老名でも猛暑が続き、お米の品質が悪く収穫量が落ちるという経験をしてきました。そこで、海老名でも通用するのでは?と考え数年前から栽培を始めました。また、「にこまる」はモチモチした食感で、とても美味しい品種であることもポイントです。

お客様からも好評で少しずつ指名買いをしていただけるようになり、狙い通りの結果が得られました。

このお米は、最も美味しいと言われる 「一つの田んぼで採ったお米」にほぼ近いお米となっています。販売するときは、精米したてのものを袋詰めして販売しています。例年、10月末~11月中旬頃から新米の販売を開始していますので準備た整い次第、販売ページの用意をさせていただきます。

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